さらば、ブルーマンデー

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「とうとう、この時がきたか」  青雲の志を持ち続けて苦節三十年。  ようやく私は、総理大臣の地位へと登りつめた。  幼少時代より描いてきた青写真が、ようやく現実のものとなる。 「貴方の秘書として務めさせて頂き、三十年。私も感無量でございます」  秘書の青井が、青いハンカチで目元を拭う。 「早速、全国民に『例の宣言』を布告致しましょう。きっと水を得た青魚のように国民は狂喜乱舞するはずです」 「ああ。私も飛び跳ねたくてウズウズしている」 「そのお気持ちをどうぞ、全国民にお伝えして下さいませ」  青井に促され、私は壇上に上がる。  重大な布告と銘打っていたため、数多くのマスコミが押し寄せていた。いつもは支持率がどうだとか、不祥事がどうだとかと言って憂鬱(ブルー)な気持ちにさせられることばかりだが、今日ばかりは私の声を伝えてくれるマスコミに感謝である。  私は深呼吸をして、マイクに向かって叫んだ。 「本日より、月曜日を廃止する!」  瞬間、けたたましいカメラのシャッター音が響き渡って、私は光の中に包まれる。  眩いフラッシュを浴びていると、昔のことが、ふと思い返された。     
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