青ざめた、チューズデー

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青ざめた、チューズデー

 月曜日が廃止され、数週間が経った、ある日のことだった。  執務室でゆったりブルーボトルコーヒーを飲んでいると、青井が慌ただしく部屋に飛び込んできた。 「総理、大変です!」 「どうした青井、そんな青ざめた顔をして」 「チューズデーです……」 「なに?」 「ブルーチューズデーです、総理!」 「な、なんだって!?」  これを見て下さい、と青井は持参したノートパソコンを私に見せる。 「ここ数カ月の間、火曜日だけ異様に労働生産性が落ち込んでいます。更に医療機関などの調査でも火曜日の患者数が多く、また警察関係者によれば、事件事故の発生率や自殺件数などが火曜日で急激に増加しているそうです!」  「なんてことだ……」 「そういえば、私もなんとなく火曜日が憂鬱でした」 「……」  「いったいどうすれば」 「……廃止すればいいんじゃないか」 「えっ」 「火曜日も廃止だ! 週五日、水・木・金・土・日! 三日働いて二日休む、この絶妙なバランス! これならば問題はあるまい」 「さすがは総理、天才です。では、さっそく国民に布告を」 「ああ」  私は再び、光の世界に包まれたのだった。
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