6人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
青い画面と、サースデー
水曜日が廃止され、数週間が「総理!!!」
「ああ! もう分かった、ブルーサースデーだろう!?」
「違います……」
「なに?」
「……ンデーです」
「なに……?」
「ブルーサンデーです!」
「な、なんだとおおお!?」
見て下さい、と例によって青井はノートパソコンを見せてくる。
「な、何かの間違いじゃあないのかあああ!」
「ああ、総理! そんなにマウスをカチカチしたら!」
パソコンの画面が、真っ青になる。
久方ぶりに見るブルースクリーンに、うっすらと私の青ざめた顔が写りこんでいた。
「……済まない、少し落ち着こう」
私は、ブルーボトルコーヒーを一口、飲み込んでから青井に訊ねる。
どうしてこうなった?
「総理はお感じになられませんでしたか。休みが終わっていく日曜日の絶望感」
「……うむ」
「木曜日は、金曜日働けば二日間休めるからそれほど憂鬱ではありません。むしろ、休みが終わっていく日曜日! 学校や仕事に行かなければならないと考えてしまう日曜日に、大きな精神的負荷がかかるようになってしまったのです!」
「ぐおおおお! 確かに月曜日があった時も、日曜日の終わりがけは憂鬱だった!」
「どうしますか、総理」
「……やるしかないだろう、これは」
「まさか、日曜日を」
「違う、木曜日だ」
「も、木曜日の廃止ですか!?」
「考えてもみろ。このまま単純に日曜日を廃止すれば、木・金・土、二日労働の一日休み。これはあんまりだ。不平等にも程がある」
「五日働いて、二日休んでいた時代もありましたが」
「今では考えられん。想像しただけでも憂鬱で死にそうだ」
「では、木曜日の廃止するのですね」
「ああ。金・土・日、一日働いて二日休む。日曜日の夕方を迎えたとしても、たった一日働けば休みだという圧倒的安堵感。盤石すぎる。これほど盤石な曜日構成はもうないだろう。最強の布陣だ。なぜ最初からこうしなかったのか、疑問に思えてくる」
「天才です、総理。では、国民へ布告を」
「ああ」
フラッシュを浴びるのも、これで最後になるだろう。
私は四度目の光の世界へ飛び込むのだった。
最初のコメントを投稿しよう!