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一口の大きさの通り、私が林檎飴を食べ終わってしばらく割り箸を口で弄んでいてもまだマシロは林檎飴と格闘していた。
「美味しい?」
「はい! ちょっと難しいですけど」
彼女はそうは言ったものの、飴と林檎をバランスよく食べ進み、手や顔がべたついているような様子もない。とはいえまだ食べ終わるには時間がかかりそうだった。
「埋めるのは順調?」
尋ねると、マシロは食べるのを止めてこちらを向いた。
「今はですね、自分ちのものを埋めてます。今日はお皿を埋めました。明日はテーブルとか棚とか埋めたいです」
「重そうだけど手伝おうか?」
「前も言った通り、これはマシロがやるのです」
そう言って彼女はまた林檎飴をかじり始めた。彼女はそれを自分の仕事だと言い張り、私が手伝おうとすると拒むのだった。私がした手伝いといえば、彼女にスコップを貸しただけだった。ただ、子供の力でこの大地を掘るのはほぼ不可能なので、スコップはこっそり特別製にしてある。
彼女が林檎飴を食べ終わる頃、燃料が燃え尽きた。今の地球では、虫の音も聞こえない。時折吹く風の音だけが微かに耳障る。私はマシロの髪を撫でた。月光に照らされ、彼女の髪は一層輝いた。テントに入り、二人で横になる。暗いが、月明かりのおかげでお互いの輪郭はわかった。
「寒くない?」
「少し……。わ、かみさまあったかくなった」
「神様だからね。これくらいお茶の子さいさいさ」
「おちゃのこ、ってなんです?」
それは私にもよくわからなかったので聞こえなかった振りをして眠りについた。神様もわからないことだらけだ。
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