さよなら、弱い自分

教室

カチカチカチ。
誰もいない教室で鳴り響く。

スーッと赤い線がまた増えた。
お母さんに殴られたり、物を投げられたりした時にできる傷は痛かったりするけど、自分で手首につける傷は全く痛くない。
切った後に出てくる赤い血を見ると、呼吸が落ち着くというか、気分が良くなるというか。

___痒い。
自分でつけた傷がすごく痒い。
切った後の数分から数日にかけてものすごく痒くなる。その時になってやっと、切った事を後悔する。

もうすぐクラスメイト達が登校してくる。
今日は何をされるだろうか。朝はいつもみたいに筆記用具を捨てられるだろうか。髪を切られるだろうか。昼休みはいつもみたいに机を教室から出されるだろうか。
それとも、もっと酷いことをされるだろうか。

死にたいなぁ。
涙が溢れたはずなのに、なぜか笑えてきた。