その扉を開いて

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 季節は流れ、僕は小学6年生になった。  通常5、6年生はクラス替えも担任替えもないのだが、ウチのクラスだけ担任が変更になった。    始業式が終わり、新しい担任の先生の自己紹介が始まっている。  窓から入ってくる柔らかい風が僕の頬を撫でていく。目線を窓の方へ移すと、真っ青な空が広がっていた。  先生とは漫画を通してこれからも会える。だが、あのカフェで先生とお話することは多分もうないだろう。  僕は初めて空が青に見えるときの感情を知った。
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