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その扉を開いて
僕は空を黄色で塗った。
先生はおかしいから描き直しなさいと言った。
次に僕は空を赤色で塗った。
また先生はおかしいから描き直しなさいと言った。
仕方なく僕は空を青色で塗った。
先生はにっこり笑顔で「正解です」と言った。
僕は胸の奥底から湧き上がってくる感情を先生にぶつけたかったが、
先生があまりにもニコニコしているので溜飲が下がってしまった。
空を青色で塗るということが大人になるということだろうか。
そう考えただけで、未来から降り注ぐ希望の光が閉ざされるような気がした。
その後、絵画コンテストで隣のクラスの女子が賞を取った。
空の色は紫だった。
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