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「ねぇ、ゆーくん」
「ん~?」
真夏の暑い中、僕と彼女はマイホームの片付け中。
僕は処分するものの箱詰め作業で、彼女は本棚の整理。
同棲をはじめて一年ちょっとが経ち、部屋も手狭になってきたから夏休みを使っての大掃除だ。
前半のうちに終わらせたら近場だけど温泉旅行に行くつもりだ。
「あのさ、わたしも宇宙人になりたいな~って思うんだけど」
「はあ?」
突拍子もない発言に僕の首はギュルンと回った。
「お兄さんが宇宙人だって私知ってるよ」
「……どうした?」
「ぼくのおにいちゃんはうちゅうじんです。ってゆーくんが」
「……」
外は暑いがエアコンは点いてるし水分補給もしてたはずだ。だけど、僕は熱中症を疑った。
「7がつ22にち、きんようび、はれ、ぼくのおにいちゃんはうちゅうじんです。
おにいちゃんは、ベロが青いです。でもおとうさんはみどりでした。おかあさんはあかかったのでふつうのひとだとおもいます。って……ふふ」
「……あっ!」
そうこうして、かき氷で一服したのが今夏の小さな二人の思い出。
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