出会いは初夏

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まるで季節を間違えて降る雪のように、放課後の教室に解答用紙が舞う。 風によってひらひらしているそれには、九十点以上の高得点が付けられている。 しかし、僕はその点数に満足していない。 いつも学年二位じゃだめなんだ。 ため息をつきながら、散らばった紙を拾っていると廊下を走る足音が聞こえた。チラッと見ると女子生徒が通って行った。 確か、隣のクラスの人だったと思う。 ここまでならスルーして自分の席に戻っただろう。 けれど、なんだか様子が怪しげだったから、ついあとを追ってしまった。 そしたら、立ち入り禁止の札のついた屋上に入っていくのが見えた。 僕の脳裏に嫌な考えがよぎる。 急いで階段をのぼり、勢いよくドアを開けた。 「やめろっ!」 そう大声で叫んだのだが… 「「えっ!?」」 予想外の光景に間抜けな声が出てしまった。 それは、相手の女子生徒も同じで声が重なる。 むしろ彼女の方が驚いていて、赤面している。 だって、彼女は仰向けになって寝転んでいたのだから。 とりあえず、彼女が変な行動をする様子がないので安心した。戻って勉強の続きをしようと思ったが、彼女の奇妙な行動が気になった。 「なに、しているの?」
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