第2章 アマチュア小説家は狙われる

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再び目が覚めると朝だった。 小鳥のさえずりが聞こえ、葉は風になびき、異世界ということ以外は本当に理想的な朝だと思う。 あと、そんな優雅な朝をぶち壊しにするやつさえ居なければ。 「クレト!!お前も朝のトレーニングやるか?」 「結構です」 「即答かよ。そんなんじゃ成長出来ねぇぞ~」 リスターはむさくるしい汗を流しながら筋トレをしている。 ったく。余計なお世話だ!! その隣で、エリオンが早朝に狩ってきたであろう鳥を慣れた手つきで捌いている。 「エリオンさん。その鳥って何かに使うんですか?」 「あぁ、これは女神への捧げものです。毎日何かしらの食材を女神に捧げるというのが、この世界の人間の風習ですから」 風習…。そう言えば、そんな設定一切描いてなかったような気がする。 人間同士の争いや、魔獣との戦い、そして、この世界についてしか考えなかったからだと思うが、こうしていざ異世界に放り込まれると設定の大切さっていうのを思い知らされる。 うーむ…。 「何かしましたか?」 「別に…なんでもないです」 「そうですか。何かあれば言ってください。クレト様」 そう言うと、優しい笑顔を向けてこちらを見てくる。エリオン。俺は男だ。そんな笑顔を向けるんじゃない。 すると、他のメンバーが水浴びから戻ってきた。 「起きたようですね。それでは、今日の予定について話し合いましょうか」 異世界に飛ばされて1日未満。 そして、初めての脅威が襲ってくるまで、あと数時間。
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