第1章 アマチュア小説家は飛ばされる。

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異世界転移… 1人から数人の人間(人間とは限らない)が異世界へと飛ばされ、そこでの活躍を描く作品である。異世界トリップもの。(ピク〇ブ辞典参照) 昨今、異世界転移モノが増えていると思うが、別に嫌いではない。むしろ、好きだ。 だが、これとそれとは話が違うと思うのだが、どうだろう? 話が分からない?なら、ここで少し俺の話をしよう。 俺は、ただの小説家だった。色々な作品を気ままに描いて、学業にも励む現役高校生作家だった。 色んな所に作品を投稿して、やっとの思いで連載を掴んだ。 その作品のタイトルは『龍と剣のリゾナンス』。 内容は、世界を救うために魔王と戦う勇者、みたいな感じのやつ。 一応、そこそこの人気はあった。 主に、想像力の逞しい女性方に。 …。ネットで自分の作品の評価の所を見たら、明らかに想定外の萌えについて長文で書かれていた時はそっとパソコンを閉じたくなったほどに。 まぁ、原因は分かっている。俺が、女性キャラを全く出していないからだ。 担当の編集さんにも聞かれた。出せばもっと人気出るのにというありがたいのかよく分からない助言と共に。 俺だって、できるなら出したい。だが、昔、色々ありすぎで、女性恐怖症になりかけているのだ。そんなやつに女性キャラなんて描けるはずがない。 そんなことを編集さんに言うと、ニコニコ笑いながら適当にあしらわれた。全く、アイツはドSではないだろうか。 とまぁ、そんなんで俺は小説家をやっている。 話を戻そう。俺は今、異世界に来ている。 しかも、自分の描いた小説、『龍と剣のリゾナンス』の世界に。
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