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「ルース、その口の聞き方は良くない…」
「じゃあ、ダヴィンはこいつが聖女だって言いきれるの?」
「やめないか、二人とも!!」
あぁ、言い争いが始まった…。
「そこまで疑うのなら、彼のステータスを見てみましょうか?」
ステータス?俺、そんな設定入れたっけ?
「じゃあ、やってもらおうか」
「分かりました。『ステータス』」
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名前:和城 紅斗
職業:聖女
レベル:100
アビリティ:女神の加護
スキル:料理、創造
称号:女神の使者、創造神
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マジか。
自分のステータスをみて俺は絶望した。
ただでさえ異世界転移とか面倒なことに巻き込まれて最悪の気分なのに、こんな見たくない現実を突きつけられてヘラヘラできるほど立派な心は持っていない。
なんか、涙が出てきた。
「大丈夫、きっと何とかなる」
アーベルトが俺の涙を拭いてくれる。
あぁ、そうだ。
アーベルトがこんな性格になったのは、勇者というプレッシャーに耐え、人々を笑って守れるように、だから、いつもヘラヘラしてるけど、こんな時は優しく寄り添ってくれる、そんな変わった勇者にしようと思って作ったんだ。
「ありがとう、アーベルト」
「どういたしまして」
どうやら俺は自分のキャラに甘いらしい。
「ちょっと、そこで甘ったるい空気作んないでくんない?キモい」
「ルース、その言い方はダメですよ。いい加減直しなさい」
「ウザい、このクズ神官」
全く、俺のキャラはどうやら空気というものを読まないらしい。
「セフィルさん。そう言えば俺、みんなの名前を聞いてないような気がするんですけど…」
「あぁ、忘れてました。さっきから口の悪いチビの少年が狩人のルース・ディ・ソフィアン。隣の体がでかいクマみたいなおっさんが戦士のリスター・ディグレート。甲冑を着ている堅物が騎士のエリオン・リーデ・ファクト。そして、前髪が長いもさもさの子が魔術師のダヴィン・レーゼ。以上が今回のパーティーメンバーです」
「ありがとうございます。あっ、そう言えば、俺のことは紅斗って呼んでくれませんか?どうも和城だと反応しづらくて…」
「いいですよ、クレトくん」
そう笑うセフィルの後ろでは言い争いが止まらなかった。
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