第2章 アマチュア小説家は狙われる

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目が覚めると、セフィルが心配そうにこちらを覗いていた。 「大丈夫ですか、クレトくん?」 「大丈夫って、何が…?」 気がつくと、涙を流していた。 高校生にもなって、寝ている間に涙を流すとか、恥ずかしい…。 「何か嫌な夢でも見ましたか?」 「いや、別に…」 そうだ、あの後喧嘩に巻き込まれて騒いでたんだ。 ルースは少年の見た目に見えて実は20歳を過ぎているとか、リスターに肩車されたりとか。 現実世界で出来なかったことをたくさんやって、疲れて寝てしまったんだ。 多分、そのせいだろう。 思い出したくないことを思い出して俺は泣いてしまったんだ。 ふと、下半身が暖かいと思い、下を見ると、白いローブがかかっていた。 「あれ、このローブ…」 「あぁ、それは私のです。その服装は目立ちますから、それを身につけていてください。それに、布団もかけずに寝てしまうから、そうやってかけていたんです」 「そっか。ありがとうございます、セフィルさん」 「別に、神官として当たり前のことをしたまでです」 そう言いながら、照れ隠しをするセフィルがなんだか可愛く見えて、思わず頭を撫でてしまいたくなった。 「明日は、遺跡へ行きます。ですから今は寝てなさい、クレトくん」 「セフィルは?」 「見張りですよ。別に、貴方まで付き合う必要はありません。それとも…寝れませんか?」 「いっいや、別に…」 そうだ。ここは日本じゃない。 だから、いつ魔獣が来てもおかしくないんだ。 そんなことも忘れていた自分の頭に腹がたつ。 セフィルは、神官なのに意外としっかりとした体型だ。 それもそうだ。魔獣はいつも正面から来るわけではない。 後ろから奇襲をかけられることもある。 セフィルはそれに対応するため、夜1人で格闘術の練習をしている。 多分、そんな隠れた努力家的なところが、あの作品の好きなキャラクターランキング第1位になった理由なのだろう。 そんなセフィルの鼻歌を聞きながら、俺はゆっくりとまた深い眠りについた。
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