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「俺の耳に入ってきた話だと、あの大罪人たちが関わってるとかって話だけど、その辺どうなの?」
頬杖をつきながら、帝斗は口角をあげて目を細め笑う。
「何よそれ、私初耳だけど」
そんな帝斗の言葉に、いち早く顔をしかめたのは、麗翔だ。
帝都の顔を見た後、鳳如を見て睨む。
すると、今度は煙桜と琉峯が反応する。
「俺もだ」
「俺も・・・」
ニコニコと笑う帝斗、一番こいつが厄介だと思いながらも、鳳如も笑顔を崩さない。
「ああ、それね。確かに、大罪人たちが機会をうかがってるらしい。まあ、部下達には結界を張り続けるように、よーく言っておけよ」
四人は立ち上がると、それぞれの持ち場に戻った。
帰り際、帝斗が鳳如を見てまたいやらしく笑う。
「俺に隠しごとしようなんて、性質が悪いね」
「状況を把握したいだけだ」
「ものは言い様だね」
「うずうずしてきた」
「デルタ、もう少し慎重になってくれる?幾ら私たちでも、そう簡単には結界から中には入れないんだからね」
「わかってるよ、エレナ心配し過ぎ」
「デルタが分かってないからよ」
二人の男女が、宙に浮く門の近くにいた。
男は額を見せて首が隠れるほどの長さの髪は少しはねている。
目は猫のようで耳は尖り、小さな牙が生えている。
ブイネックの黒い服は肩から素肌を出し、左手にはリストバンドをつけている。
何やら楽しく目を細めて笑っているが、一方で女性は呆れたようにため息を吐く。
左分けの前髪はさらっとしていて、風に靡けば美しく輝く。
胸の大きく開けたドレスは、色っぽい右足太ももが見えている。
ウエスト部分には何かベルトのようなものが巻いてある。
口元左にあるホクロは、また女性の艶やかさを際立たせる。
「ちょっと、まさか・・・」
「なに、挨拶代わりだよ」
ニカッと笑うと、デルタはエレナの言う事も聞かず、炎を出しながら飛び立ってしまった。
「・・・まったく」
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