驟雨を待ってる

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「あははは!!早く学校行こう!!」 安藤も補習組で、夏休みが始まってからなぜかよく俺と学校に行く時間が合致して。 なぜか途中から一緒に行くことになってる。 「お前ほんと意味わかんねー」 「えー?ただ笹原君と仲良くなりたいだけだよ!!」 天真爛漫な笑顔に俺は小さくため息をついた。 立ち止まる俺を置いて小走りする安藤。 揺れる綺麗な黒髪を眺めていたらふいに安藤は立ち止まり振り返った。 太陽に照らされる白い肌。小さな唇から覗く白い歯。そして優しく細められた二重の瞳。 不覚にも、心臓が跳ねた。 「早く行こう、笹原君!!」 そう言って安藤は右手をあげる。 その右手に握られているのは赤い傘。恐らく、さっき俺を殴った凶器。 ……今日、雨降るのか。 重たい足を踏み出し、安藤のもとに向かいながら雲がうっすらとベールの様にかかった空を見上げた。
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