驟雨を待ってる

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1階の廊下を歩いていると、使われていない空き教室のはずの部屋のドアが少し空いていることに気付いた。 誰か侵入してんのか? そう思い、ドアに嵌め込まれているガラス窓から中を覗く。 机も椅子もない、殺風景な教室のなかを見渡して目に入ったのは青空だった。 耳には確かに雨があちこち打ち付ける音が届いている。 あまりにも鮮やかな青を眺めていると、侵入者が俺に気付いてニカッと笑って手招き。 俺は少しだけ空いたドアを開けて、教室に侵入した。 あーあ、侵入共犯者になってしまった。
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