驟雨を待ってる

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「なるほどなるほど…笹原君、やっぱりめっちゃいい人!!私、笹原君のこと結構バカだと思ってるけど結構好きだよ」 「やっぱりってなんだ…あとバカってうるせーな。で、お前はなんでいつもひとりなんだよ」 手にチョークの粉が付いていたのか、パンパンと粉を払うように手を叩きながら安藤は言った。 「うち、転勤族なんだよね。仲いい人出来てもすぐにさよなら。最初はみんな手紙とかくれるけどいずれ忘れられちゃうから。だったら、最初から深い関係とか作らなくていっかって思って」 「……じゃあ、この高校からもいなくなるのか?」 そう聞いてみたらニヤリと安藤は笑う。 「えー?何々、寂しいのー?」 「違ぇから!!お前ほんと意味わかんねー!!」 ケラケラ笑う安藤。 安藤はこうやっていつも笑っている。そして、人の悪口とか言っているところを見たことがない。 だから安藤のだる絡み、だるいけど嫌な感じはしないんだろう。
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