青の商人と青の女王

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 青色のマントをはおった商人は、ブルルリ族から手に入れた青い宝石たちの、宇宙の底を思わせるようなすきとおった(きら)めきを、しばらくじっと見つめていました。 彼は、その宝石たちとそうやって真剣に対話していると、自分が商人なのも忘れ、まるでその青色に光り輝く宝石たちが、自分の大切な友だちのように思えてくるのでした。  この子たちを、青の女王に見つからないようにしなければ。青の商人はそう考えました。  なぜかと言えば、青の女王は普段はとても可憐(かれん)で、慈愛(じあい)に満ちた素晴らしい女王なのですが、青色が大好きで、とくに青色の宝石はこの国どころか世界中のものを独り占めにするほどの勢いで、熱心に収集してしまっていたのでした。 青の宮殿中を青色の壁や床や装飾品、美術品でおおい、自らも真っ青なドレスと宝石で身を包んでいました。青の女王と呼ばれる由縁(ゆえん)もそこから来ています。  もし、青の女王にこれほど立派なブルーサファイアを見つけられてしまえば、商人の永遠の友だちとなりうるような妖精と、泣く泣く永遠にお別れしなくてはなりません。
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