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そうこうしているうちに、貿易船の到着を受けた青の女王の従者がやってきます。
青の商人は内心焦りましたが、そんな様子はみじんも見せずに、女王の従者に対して平静を装ってこう言います。
今回も、上玉が手に入ったぜ。
そうすると、女王の従者は、青の商人が持ってきたカゴの中身をちらちらと見るのでした。
お前さんもこれに興味あるかい。
青の商人がそう言うと、従者はちょっと慌てた様子で、あたりをキョロキョロと見渡して、こう言うのでした。
めっそうもない、あたいみたいなのが、こんな上玉の宝石を身につけていたら、青の女王さまに怒られちゃうわ。
すると、青の商人は、急に口調を変えて、こう言います。
めっそうもないですよ、お嬢さん、あなた青の女王さまにもひけをとらないほど美しいじゃあありませんか。
せっかくこんなに美しいのに、きれいな宝石を身につけないほうが、女王さまに失礼だと思いませんか。
女王さまも自分の周りにいつもうわさになるくらいのきれいな使いの者がいれば、さぞ鼻が高いことでしょう。
そう言うと、そのポニーテールの侍女はまんざらでもない顔をしながら、笑顔で言います。
そ、そうかな。
あたいももうちょっと着飾ってもいいかな。
青の商人は、すかさず、最後の押しの文句を出しました。
はい、それはもちろん!
通常ですと、このラピスラズリのペンダントひとつで百万ルブーなんですけど、今回はなんと!
このラピスラズリのブレスレットもつけて、十万ルブーで売っちゃいます!
もちろん、消費税、手数料込みの値段ですよ!
ポニーテールの侍女は、感動的な面持ちで青の商人をじっと見つめたのち、叫ぶように言いました。
や、安い!
是非買うわ!
まいどありです♪
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