青の商人と青の女王

　青の商人は口笛を鳴らしながら青の宮殿の廊下を歩いていました。他の国の宮殿で口笛なんて吹いたら、即捕まってしまうでしょうが、この青の国は平和で、女王も青色の宝物の収集関連以外はめったに怒らないので、青の商人は青の宮殿に入るといつも口笛を吹いています。

そして、女王のほうも口笛が聴こえたら、青の商人がやってきたのだとわかる仕組みになっていました。

今日はいつになく上機嫌ね。

何かいいことでもあったの。
ブル。

　他の国では、女王や王が臣民に直接こんなふうにフランクに話しかけることはまずありえないでしょうが、そもそも青の女王がなんとなく女王をやっている感じもありましたので、臣民のほうからも女王に気軽に話しかけるのでした。

が。