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女王の残念そうな顔を見るのは、少し心が痛みましたが、べつに今度また違うブルーサファイアをプレゼントすれば済む話です。
今握っているブルーサファイアほどのものには出会えないかもしれないですが。
青の商人は、このままだとAプランのカラクリがバレてしまうと思い、バレる前にその場を立ち去ろうとしましたが、ふとうしろに気配を感じたのです。
うしろを振り向くと、そこにはやっかいな相手が現れていました。
あら、軍師いつの間に帰られていたのですか。
青の商人が青の王国の軍師にそう質問すると、軍師は平然とした顔でこう答えます。
最初から、この部屋にいましたよ。
ところで、青の商人、うしろに隠し持っているものは何かな。
う、軍師はお見通しか、でもまだBプランが残っている。
あはは、バレちゃいましたか、この指輪はですね、女王さまのプレゼント用にと思って、とっておいたものなんですけど、ちょっとした手違いがありまして。
ふーん、これは見事なブルーサファイアの指輪に見えるけど、何がダメなの?
女王がそう質問すると、青の商人はモードを切り替え、テキパキとBプランを実行しました。
これはですね、一見見事なブルーサファイアに見えますが、実は、サファイアではないのです。
なぜかと言いますと、女王さまはもちろん、ルビーというものをご存知ですよね。
もちろん知っているわ。
赤色の宝石。
ですよね。ルビーは赤い。
ブルーサファイアは青い。
でも、ルビーもブルーサファイアも、どちらも同じコランダムという鉱物からできています。
へー。
女王はぽけーっとその説明を聞いていましたが、ハッと我に帰り言います。
あ、うおっほん、もちろん知っているわよ。
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