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……ちなみに、
保健委員はぼくである。
保健室でも、
彼女はあのカードのようなものを使った。
保健室の先生は、
「あらあら、
気をつけてねー」と優しい笑みを浮かべながら、
青い傷に処置を施してくれた。
彼女の膝に大きな絆創膏を貼ってもらい、
ぼくらは保健室を後にした。
グラウンドに向かう廊下を黙って歩く。
「ねえ、
ちょっと、
電話していい?」
彼女が話しかけてきた。
思えば、
彼女と面と向かって話すのはこれが初めてだった。
なぜなら、
ぼくは美人と話すのが苦手だからだ。
「う、
うん。
いいよ」
ただこの時、
少しどもったのは、
彼女が美人だからではない──それもあるにはあるが。
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