青い体液の彼女

4/23
前へ
/23ページ
次へ
……ちなみに、 保健委員はぼくである。 保健室でも、 彼女はあのカードのようなものを使った。 保健室の先生は、 「あらあら、 気をつけてねー」と優しい笑みを浮かべながら、 青い傷に処置を施してくれた。 彼女の膝に大きな絆創膏を貼ってもらい、 ぼくらは保健室を後にした。 グラウンドに向かう廊下を黙って歩く。 「ねえ、 ちょっと、 電話していい?」 彼女が話しかけてきた。 思えば、 彼女と面と向かって話すのはこれが初めてだった。 なぜなら、 ぼくは美人と話すのが苦手だからだ。 「う、 うん。 いいよ」 ただこの時、 少しどもったのは、 彼女が美人だからではない──それもあるにはあるが。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加