青い体液の彼女

その日の課題は「好きなものを１時間以内にモデルなしで描きあげる」というちょっと変わったものだった。

ぼくはバイクを描くことにした。

似合わないと言われるが、

実はバイクに乗るのが夢のひとつだったりする。

幼い頃から身体が弱く、

薬が手放せないぼくでも、

コツさえつかめば中型くらいは乗れると思う。

画材は自由だったが、

１時間という制限があったので、

鉛筆で大雑把に雰囲気だけ描くことにした。

青い血の彼女は、

下書きもなしに、

いきなり水彩絵の具をスケッチブックにぶつけていた。

どんな絵を描くのか気になったが、

自分の絵に集中することにした。

40分経過の時点でほぼ描き終えた。

普段から見ているとはいえ、

何も見ずに描くのは難しい。

バイクと言えば、

バイクなのだが、

肝心のバイクの良さが伝わってこない。