0人が本棚に入れています
本棚に追加
あと20分で、
足りない何かを埋めなければならない。
悩み始め、
手が止まった。
ふと彼女の絵を見てみる。
繊細でちみつな美しい絵だった。
この短時間でどうやって描いたのだろうか?
しかし、
その高い画力で描かれたのは、
なぜか、
変な怪獣と変な格好の人間だった。
昔見たSF映画にこんな奴らがいたような気がする。
顧問の先生も同じことを思ったようで「ああ、
なんだっけ、
この映画? 名前が出てこない」と頭をひねっていた。
「映画じゃなくて、
うちのペットですよ」
彼女は真顔でいった。
冗談を言っている顔ではなかった。
が、
先生は彼女独特のユーモアだと思ったようで、
笑っていた。
他の部員も先生につられて笑う。
最初のコメントを投稿しよう!