青い体液の彼女

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あと20分で、 足りない何かを埋めなければならない。 悩み始め、 手が止まった。 ふと彼女の絵を見てみる。 繊細でちみつな美しい絵だった。 この短時間でどうやって描いたのだろうか? しかし、 その高い画力で描かれたのは、 なぜか、 変な怪獣と変な格好の人間だった。 昔見たSF映画にこんな奴らがいたような気がする。 顧問の先生も同じことを思ったようで「ああ、 なんだっけ、 この映画? 名前が出てこない」と頭をひねっていた。 「映画じゃなくて、 うちのペットですよ」 彼女は真顔でいった。 冗談を言っている顔ではなかった。 が、 先生は彼女独特のユーモアだと思ったようで、 笑っていた。 他の部員も先生につられて笑う。
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