青い虚感

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「しばらくこの街に滞在しようか。もしかしたら誰かいるかもしれないし」  僕はスカイを好んでいるけれど、スカイは僕の声なんか聞こえていないんだろう。  ガラスばりの建物の一つを選び、中へ入って布を敷いた。せめて人並みに生活できるものを、と思い、以前、たまたま会った人に布やブーツをもらったが、すっかり空色に染まっている。ブーツも同じだ。まだ侵食は進んでいないが靴底がうっすらと白と青とが入り混じりつつある。もともと黒だったはずなのに、いりまじりすぎて靴底のパレットの色が外にあふれ出しそうだ。  でも、前の靴よりはいい。急激に体が大きくなり、僕の足の大きさも相応に伸び、小指が一本端からのぞき、靴底はぺろん、と外れた。あれは何年も前の話だ。  新しい靴より目先は食料だ。キャンプを作らないでいいのはありがたいが、生きていけない。 「でも、生きていたって」  ふと、どこかで感じたことを口に出してしまう。  いや、でもこれは、思ってはいけないことだ。  そうでないと、この先僕は歩いていけないから。
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