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「……ずるいよ。頑張ってみんなに好かれる父さんはずるいよ。俺は父さんみたいにはなれないし……」
「お前は一度フラれて、全てを諦めるのか?フラれたことより、お前が好きになった彼女がいい女だったと思えないか?いい女を好きになって良かったと思えないのか?俺は母さんが最高の女だと思っているが、今まで俺をフッてきた女たちも最高だと思ってる。そう思えないか?」
僕はつい吹き出してしまった。
「父さんにそんなとこあるんだ。気障なんて似合わないのにさ」
父さんも笑う。
「ケツの青いお前の父親も気障を気取るケツの青いガキなんだよ」
その日、少しだけ父が好きになれた。
いつまでもケツの青い父子だと思ったら。
了
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