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「来てくれてありがとう。多分分かってると思うけど、僕は君が好きです。付き合ってください」
君はうつむいた。
「……ごめんなさい。私、彼がいるの……。君は素敵だけど、私は彼を裏切れないから」
僕の顔の血の気が引いた。
「そうなんだ……。ごめんね……。気を遣わせたね」
「ううん。恨んでくれてもいいから」
「そんなこと出来ないよ。じゃあ明日、学校で」
僕はふらふらと公園を出る。
君を振り返らなかったが、君はそこに佇んでいたのだろう。
ふらふらと家へと向かう。
景色が流れる。僕を慕う子供たちが声をかけてくるが、返事をする気力がなく手を力なく振る。
仲の良いご近所さんが、声をかけてくるが愛想笑いを返すだけ。
ふらふらと歩いていると仕事帰りである父に会ってしまった。
一番会いたくない人に会ってしまった。
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