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「どうした?」
「関係ないだろ」
「そんなことがあるか。顔が青いぞ」
「……どうせ笑うだろうけどフラれたんだよ。父さんにこの気持ち分かるかよ!」
つい怒鳴ってしまった。だが父さんは真剣な目を向ける。
「笑うか。父さんだって母さんと結婚するまで二十回はフラれているんだ」
僕は、ハッと目を見開いた。
「父さんが?嘘?」
「嘘じゃないさ。だからお前は一度フラれたくらいでメソメソするな。まだ、ケツの青いガキなんだから」
「どうせガキだよ!父さんにケツの青いガキの気持ち分かるか!」
「分かる。俺だってケツの青いガキだ。だから必死こいて毎日頑張ってるんだ。いつか大人になろうとな。いつか母さんに俺に惚れて良かったと言わせようとな」
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