蒙古斑が消えなくて

8/9
前へ
/9ページ
次へ
「どうした?」 「関係ないだろ」 「そんなことがあるか。顔が青いぞ」 「……どうせ笑うだろうけどフラれたんだよ。父さんにこの気持ち分かるかよ!」 つい怒鳴ってしまった。だが父さんは真剣な目を向ける。 「笑うか。父さんだって母さんと結婚するまで二十回はフラれているんだ」 僕は、ハッと目を見開いた。 「父さんが?嘘?」 「嘘じゃないさ。だからお前は一度フラれたくらいでメソメソするな。まだ、ケツの青いガキなんだから」 「どうせガキだよ!父さんにケツの青いガキの気持ち分かるか!」 「分かる。俺だってケツの青いガキだ。だから必死こいて毎日頑張ってるんだ。いつか大人になろうとな。いつか母さんに俺に惚れて良かったと言わせようとな」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加