ハジマリの青

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 その不可解さに少年は疑問には思ったものの、顔面偏差値どう見ても下にいる自分が標的になるとは思わず「へ―大変だなぁ」くらいの気持ちでいた。  けれど、3日まえにぼうっとしているところを彼女にいきなり廊下でとっ捕まった。 「いきなりだけど、私と付き合ってくれないかしら?」  声が出なかった。  突然のことに驚いたことよりも、公衆の面前であったため、フリーズし、ただ立ちすくんでしまった。  彼女はそれまでに十数人の男子に告白のまねごとをしてきたのだ。同じように驚いた男たちはたくさんいたはずだ。    だから自分も同じように3秒も立たずに彼女のほうがしらけるだろう……と思っていたのに。 「あら、あなた気に入ったわ。本当に付き合いましょう」  そう腕を取られ、ずるずるとここまで来てしまった。もう3日目、ちょうど放課後の教室で二人きりになったので、なぜ自分だったのかを聞いてみた。  すると彼女は先のように答えたのである。 「私があなたを選んだ理由?そんなの決まっているわ。私が好きだと言ったらあなたが青ざめたからよ」  ……と。 「そうか、俺の顔は青かったのか」 「えぇ、まるで、死んだはずの昔のいじめっ子にあった時のように」     
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