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「あ……あのさ、日本の警察ってのは優秀なんだってさ。ひき逃げの検挙率だって世界有数で……ってまあ、この前私がなくしたタブレットは見つけてくれなかったけど……あはは」  何を言ってるんだろう。励ますつもりが、また彼の心にインクを垂らしてしまったような気がする。なれないことはするべきではない。 「その…ごめん」 「いや、いいんだ広田。ありがとうな」  そう言い残して、田郎は自分の机に戻り、カバンから取り出した封筒を机にしまうと、教室から出て行った。
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