さよなら、おともだち

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さよなら、おともだち

タイトル:さよなら、おともだち 書いた人:甘らかん(かんらかん 友情サンドバック)  教室の隅。いつもひとりでラノベ読みながらお弁当をつっついている。  そんな私に接近してきたのがタテちゃんだった。 「なに読んでるの」  シャツにほころびがあったから返品したいんですけど。  私にはそう聞こえた。 「別に」  異次元の友達にはブックカバーをかけている。目に見える敵にこちらの手の内をみせてはならない。 「…ちゃんてさ、いつもひとりでいるけど寂しくないの?」  タテちゃんの顔を見ると、笑ってはいない。物珍しいものに指を突いてみた、みたいな感じがする。 「…ちゃんてさ、アリカちゃんと同じ中学なんだよね」  アリカね。  小学校から一緒だけど、腐れ縁というだけで太陽と北風のような関係だ。 「アリカちゃんて、かわいいよね。昔からなの?」  私はまじまじとタテちゃんの顔を見た。  あぁ、この人は私を使ってアリカと仲良くなりたいのだな。まぁ、私の利用価値なんてそんなものか。 「昔から、アリカはあんなだよ」  アリカは成績がいいわけではないし、運動ができるわけでもない。       
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