1人が本棚に入れています
本棚に追加
「アリカちゃんとも行くの。でも2回は見たいから」
しまったと思った。コーヒー、おごられてた。
そこから、坂道を転げ落ちるように(?)タテちゃんとどこかに行くことが多くなった。
アリカ信者として、アリカの昔を知っている私に近づくことはなにか得になるという考えなんだろうけど。
まぁ、付き合ってみると、学校での不満とか、先生の悪口とか、男子がクソとか。笑いあえるところもあったりして、こういうのもたまにはいいのかなと思えてきた。
そんな日々が2ヶ月ほど続いた放課後。
なんかわけのわからない作業で帰りが遅くなってしまった。今日は録画した深夜アニメをまとめて見ようと目論んでいたのに。
「…さん」
話したこともない人に声をかけられた。
「えっと、ナハハさん?」
ナハハはアリカのとりまきの一人。とりまきのなかでは控えめなほうで、なんとかとりまきにしがみついている印象。
そこまでする価値がアリカにあるのかね。まぁ、どうでもいいけど。
「…さん、タテちゃんと仲良くやってる?」
「普通だけど」
って言うか。話したこともない人の会話のとっかかりがそれなの?
夕暮れの教室で秘密の話。
ナハハは私の目を見ないで言う。
「わたしはね、ナツナオと小学校からの友達なの」
最初のコメントを投稿しよう!