さよなら、おともだち

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 ナツナオ……あぁ、いまでは乳母なのか、というくらいアリカの世話を焼いて常に隣にいるとりまきナンバーワンか。  まったく興味ないけど。 「タテちゃん、アリカちゃんに近づきたくても。ナツナオにはかなわないし。アリカの親友はナツナオなんだけど。ナツナオにはない手先の器用さとか、アリカちゃんが好きなアイドルグループのファンクラブに入って入手困難なチケットとって、なんとかアリカちゃんと一緒にライブに行ったりとか。アリカちゃんと仲良くなりたくて一生懸命なのよ」  クラスの女子みんなが知っている情報だろ。いまさら復唱されても。 「アリカのどこがいいんだろうね」  ナハハのトークがピタリとやんだ。 「いやさ、私はアリカと小学校から一緒だけどわからないんだよね。彼女の魅力。たいして可愛くも美人でもないし、運動できるわけじゃない。それはいいとしてもさ。いつもニコニコ、っーか笑い声が耳につくんだよね。話すことといったら手の届かない芸能人やスポーツ選手のことばっか。いま日本でなにが起こっているのか考えたことあるのかな」  あー、私最低だ。  みんなが愛してやまないアリカ姫の批判してるよ。しかもとりまきの一人に。  明日からいじめがはじまるな。     
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