ハイセツ!

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   五人の女子がおしゃべりしているのだけど、なんだか五人揃ってそわそわしている。  その光景を見て何かを思い出しそうになったとき、五人の女子が頷き、そして全員で廊下へと出ていった。 「……行ったわね。『連れ便ファイブ』」  そうだ。彼女達五人は”大“のほうをするとき、いつも一緒に行く『連れ便ファイブ』だ。  みんなでいけば怖くない的な心理を[みんなですれば恥ずかしくない]として運用している、”大“の排泄ミッション用のパーティー。 「あ……っ」  私は思わず椅子から腰を上げる。  でもそこから先の行動は取れなかった。  さほど親しい間柄ではないあの五人達に、「私も一緒にいいですか?」などと言うことなどできなかった。  私が再び座るとのんちゃんが肩にポンと手を置いた。 「まあ、賢明な判断だと思うよ。『連れ便シックス』より『連れ便ファイブ』のほうが語呂もいいからね」  いや、そういう理由じゃないんだけどっ。 「あ、遥。あの子、えっと臼澤(うすざわ)さんだっけ? 多分うんちよ、ほら」 「え?」  ”大“の排泄に行く生徒の察知能力に長けているのか、のんちゃんが続けてそんなことを言う。  見ると、臼澤さんがスッと席を立って音も立てずに廊下へと出た。  臼澤さんは相変わらず存在感が希薄で、今日学校にいたんだと今更気づいた私だった。そして思い出す。臼澤さんがそのモブ的な空気感から『透明人間(インビジブル)』と呼ばれていたことを。 「ここが最後のチャンスだよのんちゃんっ。私、臼澤さんと一緒に行ってくるねっ」  私は再度、立ち上がる。  でも―― 「それは彼女のインビジブル効果にあやかろうとしてのこと? でも彼女の能力は彼女自身にしか作用しないでしょ。遥の排泄行為には影響を与えないと思うけど」  それを聞いて僅か五秒で着席することとなった。  焦りの気持ちからそんな当たり前のことに気づかなかったらしい。 「ううう、この休憩逃したらもう放課後しかないよぉっ。でも放課後だってみんなすぐ帰るわけじゃないし……ど、どうしようっ のんちゃんっ!」  放課後に再び告白予定なのだけど、悠長に生徒が減るのを待っていることなどできない。  そんなことをしていたら高坂先輩だって帰路に就いてしまう。    半ば錯乱状態の私。  すると、のんちゃんが「あっ」っと声を上げた。
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