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「どうしたの、のんちゃん?」
「解を見つけたのよ。遥の”今日中にうんちしちゃうぞ♪“作戦のベストな解を。この休憩中はもう時間的に無理だから、放課後になった瞬間に動いてもらうことになるのだけど、その解とは――……」
〇△□
ふううぅ。
せき止められていたモノが全てなくなり、私の心は一気に晴れ渡る。
つまり私は無事、出すものを出すことができた。
学校ではじめての、”大“の排泄ミッションを終えることができたのだ。
ところで、このトイレの存在を教えてくれたのんちゃんには感謝しなければならない。
そのトイレとは、存在もほとんど知られていないのだけど、どこの学校にも必ずある職員用トイレだった。
例え知っていてもなかなか来ないよね、職員用トイレって。なんか生徒用のトイレより清潔感もあるし今度からはこっちにお世話になろっかな。
と考えたのだけど、教師に見つかったら怒られる可能性もあるので、今後は控えよう思う私だった。
「ふう、次が大事だぞ、私。すっきりして終わりじゃないんだ。――よし」
私は身だしなみを整えながら、鏡の自分に発破をかける。
気持ちは完全に告白モードに切り替わっているけど、それに付随する腹痛はもうない。
あとは高坂先輩に思いの丈を、それこそすっきりするほどにぶつけるのみだ。
その高坂先輩はまだ学校にいるだろうか。
お願いだからいてくださいと祈りながらトイレを出る私。
すると、同時に男子トイレから出てきた誰かと鉢合わせた。
「「あ――」」
同時に声を出す。そしてお互いの顔を確認したとき、私もそうだけど彼も息を飲んだような気がした。
「え……こ、高坂先輩? えっ? えっ?」
「さ、七種さん? あれ……マジか、これ」
本当に高坂先輩だった。
やだ、ちょっとなんでこんなところでえええええっ!?
高坂先輩と職員用トイレを出たところで会ったという現実が、羞恥の感情を呼び起こす。
生徒用トイレではなく、敢えて職員用トイレで用を足すということが、イコール”大の排泄“を嫌でも連想させるからだ。
自分でも分かるほどに顔が赤くなる。
多分、その顔は熟れたトマトのような状態になっているだろう。
「こんな場所で会うなんて奇遇だね。お互い、その、なんだろ。腹の調子が悪かったんだろうね」
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