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それは彼女の手術が成功したらクリスマスイブに会おうというモノだった。
ほんの1年前。彼女は臓器の病気を患った。治らない病気ではないけれど難度の高い手術をしなければならなかった。
手術のために大きな病院に移ったのが半年前。そして、手術を受けたのは数か月前。
ボクと彼女は彼女が手術を受ける前にこの約束をしたのだ。
手術が成功したらクリスマスイブにデートをしよう。
それまでボクに手術の成否は一切、連絡しないというものだ。
当然、ボクは反対した。彼女が危険な手術を受けるということだけでも不安だったのにクリスマスイブまで成否はわからないなんてボクには耐えられなかった。
でも、手術前に彼女が「もしも、手術が失敗したらわたしは…」なんて言うからボクは彼女の約束を聞くことにしたのだ。
ちなみに会うのがクリスマスイブというのは単にロマンチックだからだけではなく手術に成功しても数か月は経過観察とリハビリをしなければならないからだ。
「これでまた一緒に入れるね」
彼女のその言葉を契機にボク達のデートは本格化した。
昔から何度も巡った商店街を二人で楽しむ。今時、こんな寂れた商店街でデートなんて流行らないと思いながらも楽しんだ。
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