ふたりは

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 今は昔  ここの町の近くにとてもとても可愛らしい女の子がいました  名前を夏目といいます  その女の子はいつも青いワンピースを着ていて  肌が白く長い美しい黒髪をもっていました  その女の子は夏にしかあらわれません  夏の間も時々姿を見せたり見せなかったり  近所の人たちはそんな女の子のことを不思議に思っていましたが  あまり気にしていないようです  そんなある日のこと  この町に  その女の子と同じくらい可愛らしい子がやって来ました  名前を影目といいます  新しい女の子の話を聞き付けた夏目ちゃんは影目ちゃんに話しかけました  「ねぇねぇ!あなたが影目ちゃん?」  「そうだよ!きみが夏目ちゃん?」  ふたりが並んでいるところをみた町人はとても驚きました  なんとふたりは双子のように姿がにていました  夏目ちゃんは長くて黒い髪をしています  影目ちゃんも長くて黒い髪をしています  夏目ちゃんは青いワンピースをきています  影目ちゃんも青いワンピースをきています  ふたりは顔もよくにていて  唯一の違いといったらワンピースの模様だけでした  夏目ちゃんは夏を代表する朝顔模様  影目ちゃんは梅雨を代表する紫陽花模様  そんな外見がとてもにている夏目ちゃんと影目ちゃんは当たり前のようにすぐに仲良くなりました  ふたりはいつも一緒に行動するようになり  影目ちゃんが来てから夏目ちゃんは毎日姿を見せていました  外見がそっくりなのでふたりはよく町人にどっちがどっちが当てるゲームをやりました  町人の反応をみるのが楽しくなった夏目ちゃんは影目ちゃんにこう提案しました  「ワンピースの模様も同じにしない?そうしたらもっとそっくりになると思うんだ!」  夏目ちゃんの提案にいつもは賛成していた影目ちゃんは顔を暗くし  「ごめんね…それだけはできないんだ…ワンピースの模様が違うのもひとつの個性だからね!だからワンピースの模様だけはおそろいにできないんだ…ごめんね…でもほかのことならなんでもいいよ!」  そんな影目ちゃんを不思議に思いながら夏目ちゃんはうなずきました  「うん!じゃあまたみんなとゲームをやりにいこうか!」  夏目ちゃんは影目ちゃんにてを差しだしながら言った  影目ちゃんにも笑顔が戻り  ふたりは一緒に歩きだしました
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