ロビンソン

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ロビンソン

真っ青な舌は、さっきまで食べていたブルーハワイのかき氷の味が確かにした。 七緒は重ねていた唇を離すと 「なんか夏が死んでく気配がするんだけどー」 と健康的な笑顔でからからと笑いながら言った。 七緒は本なんて少しも読まないのに、時々どことなく文学的な言い回しをした。 私はそれが好きだった。 「どこらへんからその気配はするの」 と聞く。 「なんかさー、うまく言えないんだけど、そこかしこからするんだよね」 今日でメニューからかき氷が消えるってのもあるかもしれないけど、と言って七緒はまた笑う。 校則違反のショートカットの金髪は、酷く傷んでるのに日の光に透けているのがとても綺麗だった。 午前十時は底抜けに明るい。 学校をさぼって二人でかき氷を食べるのは、これが最後だろう。
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