高嶺の花が落ちる時

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「お前、気ぃ使い過ぎ。ほら、貸してみろ、手伝ってやる」 「え?そんなっ」 「お前が帰んなきゃ俺も鍵かけれん」 そう言うと彼は私の手から書類を奪って「これを纏めりゃいいのか?」と、本当に手伝い始めた。 「っつか、学生のくせに教師に提案とか凄えな」 「みんな楽しい学生生活を送りたいんです」 「お前は楽しんでんの?」 「……」 「会長も推薦されて、イヤイヤなったクチだな」 「そんなことっ」 「でも、自分がやらないと他に居ないからしかたなくってところか。まぁ、周りからしても菱川のお姫さんを差し置いて出来ないだろうし?」 「…好きで菱川じゃないわ」
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