高嶺の花が落ちる時

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「今日から赴任の保健医見た?」 「あー、誰かが超イケメンって!」 「それ! マジそれだった!」 「男の保健医って珍しいから、ガセだと思ってたー!」  教室の隅から聞こえてくる会話にちらりと視線をやると、目があってひどく嫌な顔をされた。 「あー、お嬢様が下世話な会話してるってこっちを見てるわよ?」 一人がそう言うと、残りの二人も私を見て同じように嫌な顔をした。 「ま、どうせうちら庶民とはわかりあえないし?」 「そうそう、馬鹿で悪うございました!」 そう私に向かって言うと、3人で笑い合う。 別にそんなつもりじゃなかったのに…。
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