高嶺の花が落ちる時

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「誰ってセンセーだ、センセー」 「なっ、貴方なんて見たことっ」 「あ、新しい保険医か」 アンリがそう言うと、彼は「ピンポーン、正解」と笑った。確かに白衣は着てるし、噂通り『イケメン』と言われるだけ容姿だった。 「しっかし、流石菱川のお姫さんだ。お見合いも簡単に受け入れちゃうなんて」  簡単にってわけじゃない!でもそんなことより──っ。 「だっ、誰にも他言無用でお願いします」 「おや、命令?」 「お願いします、と言ったはずです!」 そう言う私の隣で、アンリがずいっと前に出た。
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