2 目には目を歯には歯を!

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カバネさんの、不安そうな、寂しそうな、まるで捨てられた犬や猫のような表情に、 今すぐ抱きしめて押し倒していただきたい!!!!! と、思ったけど、そこはぐっと抑えて、僕は目的を果たすために、朝早くから家を出た。 カバネさんよりも優先した、その目的とは…… 僕は鞄からメリケンサックを取り出し、右手にしっかりと装着。続けて右足首に2kg程の重りを装着。 よし、準備は出来た。そして、目標の男を確認。 いざ参る! 僕は男の前に進み出た。そして 「屑勇者さん、おはようございますっ!」 挨拶と共にみぞおちに一発食らわせた。 「ぐほぉっっ……な、何者!?」 「僕の恋人が大変お世話になりましたぁっ!」 男が体制を整えようとした所に、素早く重り2kg付き回し蹴りを頬に食らわせた。 男の体は勢いよく吹っ飛んだ。 ちょっと勢いつき過ぎたけど、まぁいいやー。 僕は仰向けに転がっている男の体を、跨ぐようにして仁王立ちした。 「お、お前は誰だ!俺になんか恨みでもあるのか!」 「うーらーみー?あるに決まってるでしょう?」 僕は男の中心に右足をそっと乗せた。 「僕のカバネさんに手を出したこと、一生後悔し続けるがいい!」 右足に力を込めて、男を冷ややかな目で見下しながら、僕は躊躇なく踏みつけた。 声にならない絶叫を上げ、男は気を失った。 こんな乱闘騒ぎを起こしながら、周りには人っ子一人いなかった。なぜならヤシンが全てにおいて、根回しして綿密に計画されたことだから。 「これだけじゃ、まだ足りませんからね…」 ヤシンは男の足首を掴み、ズルズルと引きずって、男が泊まる宿へと運んだ。
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