1 カバネの災難

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店の外に飛び出て、早足で家へと向かった。 なに?俺って男に好かれるようなオーラでも出ているのか?ヤシンといい、さっきの男といい、こんなオッサン掴まえて、かわいいとかおかしいだろうが! 「おい!待てよ!」 その瞬間、手首を掴まれて、強引に相手の体に引き寄せられた。 「なっ!ついてくるな!離せ!」 まさか追いかけてくるとは!しかも、勇者やってるだけあって、力も強い。こんな時、片腕がない事が悔しい。 「逃げるなよ…折角再会したんだ。ちょっと俺と遊んでくれよ」 そう言って、俺の顎を乱暴に掴んで、無理やり唇を押し当ててきた。 「んぅっっ」 俺はたまらなく嫌で気持ち悪くて、男の唇に歯を立てた。 「いてっ!このっ、大人しくしろ!!」 みぞおちに強烈な痛みが走り、その後に右の頬に痛みと衝撃が走った。 そして俺は、そのまま暗い路地裏へと連れ込まれた。
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