おまけ10「カバネと料理」

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俺はいつもヤシンに、美味しいものを沢山作って貰っている。 だから、俺も何かヤシンに、美味しいものを作って食べさせたい! 俺でも出来る料理……カレーなら昔からよく作っているし、これなら何とか作れるだろうと、勢い込んで材料も買ってきたのだけど… だけど! 片手だと、野菜の皮すら剥けない!! 皮むき器を手に、じゃがいもを、なんとか顎で押さえて固定して、皮を剥こうと頑張ってみたものの、何をどうしたって、皮なんて剥けやしない! 玉ねぎは、なんとか皮は剥くことが出来たけど、顎で押さえて切ろうとしても、丸いから転がり、一向に切れないし、目に染みてきて、涙が止まらなくなる始末。 そう言えば俺、片手になってからは、ずっとヤシンがご飯作ったりしに来てて、来れない時は、炒めるだけ、茹でるだけ、みたいにカットされた野菜が送られて来たりしてて、それが当たり前になっていて、何も不自由を感じてなかった。 俺、本当は、ヤシンがいなかったら、こんなに何も出来ないんだな…。 片手でも、剣は振るえるけど、魔物も退治出来るけど、こ、恋人にご飯を作ることすら出来ない…。 俺が頭を抱えて落ち込んでいると、鍵を開ける音がして、ヤシンが中に入ってきた。そして転がる野菜と、調理器具を目にして、目を見開いた。 「カバネさん、これ、どうしたんですか?そんなにお腹空いていたんですか?」 「ち、違うっ。俺はただ、いつもお前にご飯作ってばかりだから、たまには俺が何か作ろうって思って……カレーなら作れると思って…そしたら、野菜の皮すら剥けなくて…」 俺は言いながらまた落ち込んできて、ヤシンから顔を逸らせた。

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