Two

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 どうやら理市は、南宮の演技にまんまと嵌められていたらしい。  迫真の演技、と言えるのは西塔も同じだろう。 「さーいーとぉぉお!! てめえー!」 「にゃっはっはーん、だまされた方が悪いにゃ~んっ」 「そもそもお前、クスリ飲まされたんだろ? アレも演技なのか?」  理市の指摘に、南宮が取り出したのは、黄色いビニール袋だった。  既視感のあるその袋には、有名な店名と、ペンギンのイラストが描かれている。 「Saaに飲ませたのは、ただのバイアグラです。ドンキホ●テで、あの仮面と一緒に購入しました。いや~民衆にばれないかヒヤヒヤしましたよ」  危ないクスリかと思って心配したのに! そもそも超有名人がド●キでバイアグラを買うな! ネットで買え!  ……と、ツッコミどころ満載なその一言に、ツッコミを入れる元気もなく、理市はただ大きなため息をついた。そして気の抜けた身体を、ボフン、と布団の上に沈み込ませる。 「だめだ、なんも考えたくねえ。東雲とヤろうと思って溜めてたのに……スッキリさせやがって、西塔のバーカ! 嘘つき! 犯罪者!」 「んにゃにゃッ! アイドルに向かってバカとはにゃんだ! 犯罪もしてにゃいもんっ」 「嘘つきは泥棒の始まり! つまり嘘つきは犯罪者だって、北条が言ってたんだよ」  目の下に人差し指を添え、あっかんべーと舌を出すと、西塔は「理市クンだって犯罪者のくしぇに!」と頬を膨らませた。 「っるせぇな、チビ!」 「にゃんだとー?!」  やいのやいのと口論を広げていると、南宮が「ふふっ」と笑みを漏らす。それから、思い出したように「ああそうだ」と続けて、ふたりの視線を集めた。 「Saa、卓麻(たくま)さん。おふたりは、今夜このホテルにお泊りです」 「はあ?」
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