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「じょ……うだん……?」
声もまともに出ないくらい、北条は驚いていた。
「芸術脳の人は、頭の中もファンタジーだな。男が妊娠なんか、するわけないだろ?」
「…………!」
北条の唇が、ぎゅ、と固く結ばれた。
その表情は、今まで理市が見た事のない顔で……真っ赤に染まり、潤んだ瞳で理市を睨みつけながら、わなわなと身体が震えだす。
「たくま、りいち…………!」
「へ?」
「お前を、一生、許さない! Sinoとの交際も認めないからな、絶対に! この犯罪者め!」
「なんでだよ」
「嘘つきは泥棒の始まり! つまりお前は犯罪者だっ」
「ばかじゃねーの」
わけのわからない因縁もつけられて、そのあと「出ていけ!」と北条の怒鳴り声と共に、理市は北条宅から追い出されてしまったのだった。
「あー、楽しかった。少しは暇つぶしになったな」
怒られたことを、これっぽちも気にせず、反省せず、理市は自宅に帰ろうかと歩いた。
理市の中では、北条に認められなくても東雲との交際は続けるつもりだった。
かたやアイドル、かたや一般市民。
世間に認められない事なんて、重々承知の上、なのだ。
しかし少々北条には意地悪が過ぎたな、と思っていると、理市の携帯がメールを着信した。
差出人は、先ほど留守電になって繋がらなかった、西塔だった。
お題:妊娠する世界、ファンタジー(セリフ中に)
リバップル(北条×理市)
今回書ききれませんでしたが、基本理市はネコ
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