One

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「じょ……うだん……?」  声もまともに出ないくらい、北条は驚いていた。 「芸術脳の人は、頭の中もファンタジーだな。男が妊娠なんか、するわけないだろ?」 「…………!」  北条の唇が、ぎゅ、と固く結ばれた。  その表情は、今まで理市が見た事のない顔で……真っ赤に染まり、潤んだ瞳で理市を睨みつけながら、わなわなと身体が震えだす。 「たくま、りいち…………!」 「へ?」 「お前を、一生、許さない! Sinoとの交際も認めないからな、絶対に! この犯罪者め!」 「なんでだよ」 「嘘つきは泥棒の始まり! つまりお前は犯罪者だっ」 「ばかじゃねーの」  わけのわからない因縁もつけられて、そのあと「出ていけ!」と北条の怒鳴り声と共に、理市は北条宅から追い出されてしまったのだった。 「あー、楽しかった。少しは暇つぶしになったな」  怒られたことを、これっぽちも気にせず、反省せず、理市は自宅に帰ろうかと歩いた。  理市の中では、北条に認められなくても東雲との交際は続けるつもりだった。  かたやアイドル、かたや一般市民。  世間に認められない事なんて、重々承知の上、なのだ。  しかし少々北条には意地悪が過ぎたな、と思っていると、理市の携帯がメールを着信した。  差出人は、先ほど留守電になって繋がらなかった、西塔だった。 お題:妊娠する世界、ファンタジー(セリフ中に)    リバップル(北条×理市)    今回書ききれませんでしたが、基本理市はネコ
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