1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…さて、こんなもんでいいかな」
俺はキャンプの準備をした…元は親父の趣味だったが、今はもういないから借りることにした
俺にはもう母も父もいない、二人ともさっさと逝ってしまった
ああ、中学の時だったか、その数日前、皆でキャンプに行ったんだ
…その後事故にあった、その時は親だけ車に乗っていて…飲酒運転している車にぶつかった、即死だったようだ
俺は自分の車に乗ってシートベルトを着けた
数時間後、目的地についた、海だ
中学の時に家族皆で行った、最後のキャンプの場所
今はだれもいなかった…まあ、泳ぐには少し寒いもんな
少し日が傾いているが、まだ空は青い
…ここにあるものも、いずれああ青く染まるのか
砂浜を歩いていたら、それを実感した
…海に触れている砂が、青色になっていた
「へえ、こんなにきれいになるんだ」
空と海と同じ、青色の砂
それはとてもきれいだった
一時間も経つと、夕暮れになった
元の赤に汚染された青が重なって、紫色だ
それはそれで、美しかった
すぐに日は落ちた
空を見上げる、満天の星空
あの日見た星空よりも、青がかっている
最初のコメントを投稿しよう!