16人が本棚に入れています
本棚に追加
リェジェドと別れトルメルとレインはキッチンへと向かった。
キッチンが近くなると、食べたことあるような肉が焼けるいい匂いがした。
「この匂いは!」
レインはトルメルを置いて匂いの方向へ行くとそこには誰もいなかった。
「あれ?誰も…いない…」
すると、遅れて到着したトルメルがレインに言った。
「いっ…ハァハァ…いっ…いるよ!」
走って来たのかトルメルが息を荒くしながら言うとトルメルが息を整え直して言った。
「リビドー!こいつは新人のレインだ!」
トルメルがそう叫ぶと部屋の奥にある窓に今までいなかった人が現れた。
「黒い人?」
レインが頭を傾げるとトルメルは言った。
「全身黒ずくめで、少し怖そうに見えるかも知れないが人見知りなだけで別に怖くないぞ!」
そうトルメルが言うとレインはリビドーに近づきながら言った。
「リビドーさんですか…初めましてレイン・アルペジオです、もしかしてリビドーさんってカリェンダの出身ですか?」
レインは恐る恐るリビドーに聞くと小さく頷いた。
「やっぱり!この独特な肉の焼けた匂いと酸っぱいソースの匂いはアーペルのパラパラ炒めの匂いって感じまして!」
レインはニコリと笑いながらリビドーに言うとリビドーは窓の外を向きながら言った。
「食べるか?」
人見知りのリビドーが初日で喋る姿を見たトルメルはびっくりして腰を抜かした。
「ほほぉ…リビドーが初めて出会った輩に心を許すのは初めてみたわ…リビドーお前余程故郷が好きだったんだな…」
そんなトルメルにリビドーは腹が立ったのか無言で能力を使いトルメルを廊下の壁に叩きつけた。
「ぐはっ…」
トルメルは不意打ちの攻撃に意識を失った。
「あぁ!トルメルさん!大丈夫ですか?」
すると、リビドーが小さな声で言った。
「大丈夫だ、あいつは丈夫に出来ている」
そう言いながら先程まで作っていたアーペルのパラパラ炒めを皿に乗せレインに差し出した。
「召し上がれ…」
「はい!」
レインは元気よく挨拶をすると勢いよく口の中にかきこんだ。
「ごちそうさまでした!」
勢いよく食べる姿が嬉しかったのかリビドーがまた料理を作ろうとするとレインが止めた。
「まだまだいっぱい食べたいですけれど、CheatCode(チートコード)のメンバーを全員探さなくちゃ行けなくて…」
そう言うと、リビドーがレインに言った。
「それは無理だよ」
最初のコメントを投稿しよう!