第6章 犯罪の匂い

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ダリアとリェジェドは新手のチート犯罪の捜査に来ていた。 リェジェドはダリアに聞いた。 「新手のチート犯罪ってどんな感じなんでしょう…」 「資料にもあまりに不可解すぎて内容がないからな…場所と時間と犯行日時しかないからな行ってみるしかないな」 そういいながらダリアとリェジェドが歩いているとお構いなしに人が襲って来た。 「うぉー!!」 リェジェドが手をかざすと気が立っていた男は落ち着き帰っていった。 リェジェドはダリアに聞いた。 「ここちょっと乱暴な人多くないですか?」 すると、ダリアは当たり前かの様に言った。 「荒れ果てが近いからな当たり前だ」 そう言って右に曲がるとダリアが足を止めた。 「どうしました?」 リェジェドが聞くとダリアは静かに言った。 「ここが現場だ…」 リェジェドが辺りを見回してもなんのへんてつもないただの路地裏だった。 「現場そのままの状態で残しているとの報告だったんだが…」 そう言いながらダリアは資料と見比べていても変わらなかった。 すると、リェジェドがゴーグルを取り出した。 ダリアはため息をついて言った。 「またトルメルからもらったのか?」 すると、嬉しそうな笑顔で言った。 「はい!チートを使った痕跡を見つけ出せる画期的なゴーグルです!」 リェジェドはゴーグルをつけて辺りを見回したが痕跡はあまり見当たらなかった。 「おかしいですね…こんなにも痕跡が見当たらないなんて…」 リェジェドはゴーグルでじっくり見ていると待っていたダリアは後ろから誰かに手を掴まれた! 「助けてー助けてー」 そのダリアの声に反応して手を掴んだ男が顔を出すとダリアはニヤリと笑って呟いた。 「っと、でも言うと思ったかクソ野郎!」 そう言ってダリアが指を鳴らすと男の体から植物が出て来て男を空間から引っ張り出した。 「何故だ!言った通りにしたのに!」 男が叫ぶとダリアは言った。 「お前が後ろからつけてるのは分かってたんだよ!」 「だからって気づかないはず!」 すると、リェジェドが口を開いた。 「それは、あなた自体がもう違う時空にいたからです」 男は理解出来ずに言った。 「は?」 リェジェドは男に笑いながら言った。 「あなたは分からなくていいことです!」 そう言って男を連れて帰ろうとすると、突然男が苦しみ始めた。 「うあああ!!」 ダリアはリェジェドに言った。 「すぐ時空ポケットに入れろ!」 そう言われリェジェドは自分の時空ポケットに男を入れた。 「何が起きたんですか?」 リェジェドはダリアに聞くと、ダリアは首を振り言った。 「分からない…時空空間を超えて能力の発動が出来るというのは聞いたことないからな…」 ダリアとリェジェドは時空空間から出るとそこには黒いフードを被った男達に囲まれていた。 「なるほど…お前らが本筋っぽいな」 ダリアはそう言うと戦闘態勢を取った。 リェジェドもダリアと同じように戦闘態勢を取ると遠くの方から声が聞こえた。 「ダリアーーー!!」 その声に反応してダリアはリェジェドを連れて上にジャンプすると奥からルシェルが転けそな態勢で突進してきて黒いフードの男2人の背中にタッチした。 それを見てダリアは笑いながら言った。 「終わったな」 すると黒いフードの男達はドミノ倒しの様に連なって倒れて行った。 リェジェドはあまり任務が一緒にならないルシェルのチートを見てびっくりした。 「こんなチートが…」 「面白いチートだろ?」 ダリアがリェジェドに笑いながら言った。 すると、ルシェルがダリアに手を振りながら言った。 「降りてこいつってんだよ!ダリア姉ーー!」 そう言われダリアは屋根から降りるとリェジェドに言った。 「リェジェドこいつらを一旦時空ポケットに入れて先に城に護送して来てくれ」 「はい!かしこまりました」 ダリアはルシェルに近づき言った。 「ルシェルーサボりに来たのか?」 そう言いながらルシェルのほっぺたを引っ張るとルシェルは言った。 「いひゃいんひゃよ!ひがうんだひょ!ひらへるひょひょがひゃんだよ!(痛いだよ!違うんだよ!知らせることがあんだよ!)」 そう言ってダリアがルシェルのほっぺたから手を話すと聞いた。 「なんだ?黒いフードのことか?」 ルシェルはびっくりしながらダリアに聞いた。 「なんで知ってんだよ!」 ダリアは冷静に言った。 「いゃ、さっき襲われたからな…」 「そういえばそうだったわ…」 ダリアは改めてルシェルに聞いた。 「それで黒いフード達についてなんだろ?」 「あぁ…黒いフードは今少人数倒したんだけどよ結構大人数かと思われてて、森のほうに拠点があると思うんだけどよー、何やら夜な夜な奇妙な声がするとか…何とかってやつ?」 ダリアはルシェルに聞いた。 「声?それはジェロの父上から聞いたものか?」 すると、ルシェルは言った。 「あぁ…」 ダリアは顎に手を当てて言った。 「そうか…情報が少なすぎるから捕まえたもの達から情報を聞くか…」 ルシェルはダリアの言葉に賛同した。 「その方がいいだろな…」 すると、ダリアはルシェルに言った。 「ならルシェルお前はもう少しここら辺で聞き込みをしていてくれ、なにか新しい事がわかるかもしれないからな!」 ルシェルはダリアに言った。 「りょーかいっ!」 そう言ってルシェルが捜索に向かいその場から立ち去った後に奥から黒いスーツの男が現れた。 「邪魔者ですか…これは面白い…計画は上手くいくと面白くないのでね…」 そう言いながら暗闇の中に消えて行った。
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