第6章 犯罪の匂い

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一方、国王生誕記念式典の護衛へ向かったイグジェ達4人は国王がいる王宮へと向かっていた。 「はぁ…疲れた」 トルメルはよたよた歩きながら呟いた。 「いゃいゃ!トルメルまだ5分も歩いてないから!!」 アリアはトルメルに喝を入れるとトルメルはアリアの裾を掴み全体重をアリアにかけながら歩き始めた。 「これなら楽じゃな!」 「やめなさい!」 アリアはトルメルが掴む裾の手を離すとイグジェが言った。 「しょうがない、オレの肩にいろトルメル」 その言葉にトルメルはイグジェの肩に飛び乗り前に進み始めた。 少し進むと大きな扉が見えた。 「あれが王宮の入口ですか…」 リビドーが呟くとアリア言った。 「初めてだったかしら?リビドーは?」 「まぁ…」 すると、アリアは苦笑いしながら言った。 「入口というか…チートコード専用の裏口だけどね…」 そう言いながらアリアは扉の真ん中についている金具を3回叩いて右側の壁を少し押した。 すると、扉ではなく左の壁が自動扉のように開いた。 「そっちが開くのか…」 リビドーが残念そうに呟くとトルメルはリビドーを覗きこみながら言った。 「絶対最初は驚くもんなぁー」 そう言いながらトルメル、アリア、イグジェ、リビドーの順番に入ると向こうの執事とメイドらしき人が待ち構えていた。 「チートコードの皆様お待ちしておりました、挨拶回りなどの予定を申し相談がしたいと第1執事からの伝言ですので歓談の間へご案内致します」 そう言いながらアリア達を王宮の中の歓談の間に案内し始めた。 アリア達は執事とメイドに連れられて歓談の間へ到着し執事が言った。 「こちらが歓談の間です」 「ここが歓談の間…」 リビドーは必要以上に大きいサイズの扉にビックリしていた。 (トントン) 「失礼致します…」 執事がそう言って扉を開くと扉の向こう側から何かが飛んできた。 イグジェは飛んできたものを指で掴んだ。 「危ないなぁーん?なんだこれは…」 するとリビドーが言った。 「フォーク?」 トルメルも確認して言った。 「フォークじゃな」 アリアも続けて言った。 「フォークですわね」 すると中から声がした。 「なんと!無礼なことをしてしまい申し訳ないです…日頃の癖でつい…」 アリアは扉の中に入りお辞儀をして言った。 「お久しぶりですリカルドおじい様」 リカルドは目を見開きながら言った。 「アリアにイグジェ何年ぶりかのう?」 すると、イグジェは答えた。 「てめぇに会うのはこのチートコードを作くる為に相談にきた日以来だ」 リカルドは笑いながら言った。 「フォッフォッ…相変わらずじゃなぁイグジェは」 トルメルとリビドーが言った。 「「おじい様…?」」 すると、アリアが答えた。 「あぁ知らなかったわね…リカルドおじい様私達の親戚で代々国王に仕える執事の家系の者よ」 リカルドはトルメルとリビドーを見て笑いながら言った。 「どうも、フォッフォッフォッ…いい仲間じゃの」 イグジェは面倒くさそうに言った。 「で?話があんじゃないのか?」 すると、リカルドは手をポンと叩いた。 「あぁ…そうじゃった!」 リカルドは自分の座っていたテーブルに戻り言った。 「今回の記念式典についての話じゃ…」 アリアは言った。 「記念式典の護衛の話ですか?」 リカルドは言った。 「ただの護衛でお前らを呼ぶわけなかろう…今回の記念式典は荒れるぞ……」
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